プラ第4回の補講&シニア第2回の補講です。
糖にはアルデヒド基かケトン基が存在する。
ケトン基を持つ糖を総称してケトースと呼び、
アルデヒド基を持つ糖を総称してアルドースと呼ぶ。
単糖類のフルクトース(果糖)は
ケトン基を持つのでケトース。
一方、アルドースには単糖類の
・グルコース(ブドウ糖)
・ガラクトース
・マンノース
などがある。
アルドースは還元糖である。
なぜなら
アルデヒドに還元性があるからだ。
還元性を示す糖を「還元糖」と呼ぶ。
還元性とは、「相手を還元させる性質をもつ」こと。
ということは、
相手の酸素を奪って、自分が酸化されることを意味する。
(まぁ、これが一番簡単な説明)
アルデヒドは酸化されてカルボン酸になる。
アルデヒド基CHO→COOHになる。
「O」が増えていることにお気づきだろうか。
これについては、
私の「植物科学の基礎講座② 精油の化学」か、
化学科新テキストの酸化・還元反応を参考にしていただきたい。
ケトン基を持つケトースは一般的には還元性を示さない。
なぜなら、ケトンは酸化されないから。
そうなると、
ケトースであるフルクトースは還元性を示さないことになる。
しかしここからが実に興味深い。
フルクトースのケトン基のすぐ側にOH基を持つ構造をしているため、
変形してアルデヒドを形成するのだ。
グルコースなど、もともとアルデヒド基を持つ糖とは異なるが、
勝手が違うだけで、結局、還元性を示すのである。
つまり、
「単糖類は全て還元性を示す」のです
ここまでは大丈夫でしょうか?
単糖類が2個結合したものを二糖類というが、
二糖類になると、還元性を持つものと、
持たないものが存在するようになる。
単糖類同士が結合するためには「グリコシド結合」をする。
グリコシド結合とは
糖と糖が、水(H2O)を手放してガシャンとくっつくこと。
グリコシド結合をする際にアルデヒド基を使うと、
還元性は無くなる(アルデヒド基が無くなるから)。
スクロース(ショ糖)は、
グルコースとフルクトースがグリコシド結合する際に
アルデヒド基を用いて結合するので非還元糖
還元糖に属する二糖類は、
グリコシド結合にOH基を用い、
アルデヒド基はそのまま残るため「還元性がある」のです。
スクロース(ショ糖)が非還元糖であることは、
療法科P15にも書かれています。
還元糖はアミノ酸と化学反応を起こしやすい性質を持ちます。
特に加熱によるアミノカルモニル反応によって
褐色物質のメラノイジンを作ります。
それが食品にみる褐変の原因になりやすいのです。
スクロースは非還元糖なのでメイラード反応は起こさないとされますが、
酸とともに加熱するとグルコースやフルクトースに分解されるため、
結果的には還元性が生じてしまいます。
この反応は私たちの体内でも起こる反応です。
ヒトの体のタンパク質と反応してメイラード反応が起こります。
それを「糖化」と呼びます。
その結果できる物質を「終末糖化産物(AGE)」といいます。
AGEは私たちの体内のあちこちで炎症を起こします。
「酸化」「糖化」「炎症」は三大劣化と呼ばれ、
老化現象はこの3つによって加速するのです。

私たちはエネルギー源としてグルコースが必要なので
過剰摂取には注意が必要なのです。
グルコースは炭素と水からできているため、
燃やしても燃えカスが残らない、
クリーンなエネルギーとされますが、
過剰摂取では老化を進行させる原因物質の材料になってしまうのです。

おー怖ーい。