今日は植物化学のお話・・・
やさいジュースのコマーシャルでお馴染みのこの言葉。
私たち、ハーブを学ぶ者は「フィトケミカル」と呼んでいます。
フィト = 植物、  ケミカル = 化学
つまり、植物化学のこと。
野菜やくだもの、そしてハーブには、
6大栄養素(5大栄養素 + 食物繊維)のほかに
第7の栄養素といわれるファイトケミカルが含まれています。
これらは主に植物が自分の体を紫外線から守るために作り出す物質。
私たち人間は「わがまま」にも、それら植物の作った物質を
横取りしているわけです。ちょっと穿った見方でしょうか・・・
メディカルハーブで学ぶ「フィトケミカル」と
野菜・くだもののそれとは多少カテゴリーが違います。
メディカルハーブでは
アルカロイド、フラボノイド、タンニン・・・と物質名で分類して、
その作用や効能を学びますが、
野菜・くだものでは、まず色別に分類して学びます。
そう、あのやさいジュースのコマーシャルのように。
でもその方が、カタカナに弱い人には取っ付きやすいようで・・・
たとえば、野菜・くだものを「7つの色」に分類します。







そして、その「色」を示す植物化学成分を学ぶ訳です。
赤には
リコピンとカプサイシンが含まれています。
リコピンはカロテノイドの一種で、βーカロテンの2倍、ビタミンEの100倍も強い
抗酸化作用があり、ガン予防の研究に期待が寄せられています。
すいかトマトなどがその代表選手。今回調べて意外だったのが
夕張メロンピンクグレープフルーツ
カプサイシンもカロテノイドの一種でリコピン同様、強い抗酸化作用があるうえに、
悪玉コレステロールの酸化を抑え、善玉コレステロールを増やす働きをします。
その結果、動脈硬化やがん予防、そしてダイエットに効果があると思われます。
橙(オレンジ)には
プロビタミンAとゼアキサンチンなど。どちらも抗酸化作用によりガン予防が期待される。
プロビタミンAはカロテノイドの中でも体内に入るとビタミンBや必須アミノ酸のサポートで
必要な分だけビタミンAに変化することができるという優れもの。
人参、マンゴー、ミカン。ほうれんそうにも入ってるそうですよ。
生より加熱調理して油と一緒に摂取すると吸収率アップ。
ゼアキサンチンは体内では目の網膜に存在。目の老化防止に一役かっている。
視力低下を防ぐ効果あり。これも生より加熱調理がおすすめ。
代表選手はかぼちゃ、パパイヤ。ケールやブロッコリーにも存在するそうです。
黄色はルテイン、フラボノイド。フラボノイドはメディカルハーブでよく出てくる物質ですよね。
ルテインはカロテノイドの一種で紫外線から目を守ってくれます。
最近の研究で、肺機能の向上や、大腸ガン、皮膚がん、子宮がん予防に効果があるのでは・・・と
期待が高まっています。
とうもろこし、リーフレタスなどがその代表。
フラボノイドはポリフェノールの仲間で、
少量で発がん物質を抑制する効果があります。
また、高血圧やアレルギー症状の緩和、
毛細血管の強化、ビタミンCの働きを助けるなどなど。
効果は多種多様。
たまねぎ、レモン、ハーブならエルダーフラワーが代表選手ですよね。
次に緑。
これは皆さんお馴染みのクロロフィル。
抗ストレス、がん予防、血中脂質の正常化、LDLコレステロールの減少効果あり。
生活習慣病にとてもいい色です。ただし、熱に弱いという欠点があります。
クロロフィルは赤血球の赤い色ヘモグロビンにとても似た分子構造をしてるため
体内では「血」に関する良い作用を沢山もたらしてくれる物質です。
そして紫。これもメディカルハーブでよく出てくる
アントシアニンが色素を作っています。
ポリフェノールの一種で、目にとてもいい作用をしてくれる物質。
疲労回復、視力回復など。
また高血圧予防や肝機能向上も期待大。
ブルーベリー、なす、ぶどう、ラズベリー、紫いも、紫きゃべつなどに含まれています。
黒・・・黒ゴマかなぁと思った方も多いのでは?
それが実はじゃがいも、バナナ、ごぼうに含まれるクロロゲン酸。
これもポリフェノールの一種で、じゃがいもの皮に一番多く含まれているそうなんです。
野菜を切ってしばらく放置すると切り口が黒っぽく変色しますよね?
あの成分です。バナナを黒く変化させるのもこれ。
ガン予防に期待が寄せられている。
また、糖の吸収を押さえて血糖値を安定させる働きもあるとか。
そして最後が「白」。
白?色なの?と、はじめはバカにしていた私。
しかし、にんにく、ねぎに含まれる硫化アリルと聞けば
「血液サラサラ効果」が挙げられるあの特有の刺激臭の辛み成分。
とある健康雑誌には毎号のように「酢たまねぎ」の作り方と
その作用が掲載されていますが、それもこの効果を狙ったもの。
動脈硬化予防、免疫力アップも期待されている。
そして白にはイソチオシアネートといって
アブラナ科に含まれる辛味成分も含まれているんだそうです。
大根、きゃべつ、スプラウトなどがその代表。
ピロリ菌、大腸菌への殺菌効果や抗がん作用もある。
と、まぁ、ざっと7色の代表する成分を挙げましたが、
これらはほんの一部にしか過ぎません。
フィトケミカルは一万種以上存在し、研究が進むにつれ
その数は増えているそうですから。

今回野菜&くだもののファイトケミカルを調べてみて、
なんだかカラーセラピーみたいで楽しかったです。
ハーブの成分の学習方法も
もっと楽しく学べる方法はないものでしょうか・・・ねぇ・・・