日本ホリスティック医学協会・中部支部主催の
「つ・む・ぐ・」鑑賞会に行ってきました。
「観たい!」と思ってからもうどれくらい経つでしょうか。。。
昨年まで私はこの映画の存在は知らず、
遠方に住む生徒さんから教えて頂きました。
彼女のメール文に心を動かされた私は、
愛知県内で上映会を行っているところを
毎日のように検索していました。
「見つけた!」
「あ、日程が合わない・・・」
の繰り返し。
もう殆ど諦めかけていました。
「念願叶って」とは今回のことを言うのかも知れません。
この映画はドキュメンタリー。
いのちを見つめながら「今」を一所懸命生きる方々が出演されています。
海外で華々しく活躍していた服飾デザイナー、さとううさぶろう氏。
彼はある日突然それまでとは全く違う方向へと歩き出します。
外科医を辞め、終末医療に心骨を注ぐ医師、船戸崇史氏。
反発しながらも母と同じ歌手の道を歩いていたYaeさん。
Yaeさんは大手レコード会社との契約を解除して
土と共に生きることを決意します。
さとううさぶろうさんや船戸崇史氏とともに
いのちをみつめる方々の前でYaeさんが歌います。
Yaeさんの歌はこの映画のところどころで流れます。
いのちは儚いもの。
でも決して弱いものではない。
病気と闘いながらも「今」を一所懸命生きる姿に、
感動を覚えない人はいないと思います。
私はこの映画を通して、
「今さえよければいい」という考え方では
こどもたちに何も残せないのだということを感じました。
映画の冒頭で出てくるタイ北部の「イサン」という村は
自給自足が成り立っている自然豊かなところでした。
村人が着る服は、
この村で育てた綿をつむいだ糸を、
自分たちで育てた植物の染料で染めて、
織り機で織って縫製して作っています。
長い時間をかけたであろうその布に、
裁断のためのハサミを入れる瞬間、
私はとてもドキッとしました。
服を作るために裁断するのは当たり前なのに、
なぜかそのシーンは心が痛みました。
その理由は今でも言葉にできません。
人は、とりわけ日本人は、
便利さと引き換えに
大切なものを過去に置いてきてしまっている。。。
「日本はこんなことで将来大丈夫なのか?」
「人にとって大切なものは何なのだろう?」
ということを改めて考えさせられる映画でした。
今や人々にとってお金は大切なものとなりました。
「貴方にとって一番大切なものは何ですか?」の問いに、
「お金」と答える人は大勢いると思います。
お金が大切になったのは、
日本が経済大国になったからです。
稼いだお金で必要なものを買うのが日本人。
私もそのひとりです。
”稼いで使う”ことで経済は発展します。
経済大国である日本は
同時に消費大国でもあるわけです。
もうそろそろ、
”育てたものを使う”方向へ転換した方がいいのでは?
便利を手放すのはとても大変なこと。
でもこのままでいいのだろうか?
経済大国には生活習慣病や自殺者がとても多い。
不眠やうつもそう。
消費するだけでなく、
「育てたものを使う」生活を送ることで
改善される病もあるのだと思う。
「つ・む・ぐ」は
いろんなことを考えるきっかけになる映画だと思います。
2013年インドネシア国際スピリチュアル映画祭
   ドキュメンタリー部門/佳作受賞
2014年リッチモンド国際映画祭 
   ドキュメンタリー部門/佳作受賞