ストレスが原因といわれるIBS患者は
1,200万人(潜在的な患者も含め)と言われ、
近年急増している。
ストレスがなぜ腸に影響を及ぼすのか・・・
これはどうやら動物の進化の過程が問題のようだ。
もともと動物の進化は腸から始まり、
腸の周りに神経細胞が発生し、
腸の動きを調節していたらしい。
脳が作られたのはそのずっと後。
消化管である腸は
もともと外界に触れている場所でもある。
食べた物の中の有毒物質や、
ウイルス、細菌が侵入した際に
腸が素早い反応を示してくれなければ
命の危機に陥ってしまう。
そのため、脳ができた後も、
脳からの指令を待たずして
腸が独立して免疫機能を動かしている。
それが腸管免疫。
きっとストレスも同様で、
腸がストレスの刺激を受けて、
反応してしまう症状がIBSなのだろう。
単細胞だった体が
多細胞に進化した過程を知るとことで
心身症の症状が出る原因がわかるとは・・・
・・・非常に興味深い。
心身症を招きやすい人とそうでない人を比べた場合、
「招きやすい人」にはどうやら
”内臓知覚過敏”の人が多いということが判明した。
詳しいことはプラクティショナーの植物療法科第5回でお教えすることとして・・・
ここでは簡単に。
IBS患者の腸管の知覚は過敏で
腸のちょっとした動きをストレス刺激として捉えてしまう。
つまり、
通常の蠕動運動に過敏に反応
↓
不快(ストレス)として脳に伝えられる
↓
蠕動運動が過剰になる
↓
過敏性腸症候群(IBS)
これを改善するためには、
脳から腸への情報伝達を止めてやればいい。
IBS薬でよく使われている薬は、
その情報伝達に使われている
伝達物質(ホルモン)の働きを抑えているのである。
心因的要因が
IBSを引き起こす原因とする説が今までは有力だったが、
新たに脳と腸の構造変化によるものとする説が浮上してきた。
今年7月にUCLAが発表した研究によると
IBS患者の脳には器質的な変化があり
心因性だけのものでは無いことが明らかになったとしている。
家族性の有無や治療法については今後の研究次第らしい。
今後IBSの治療方法は大きく変わりそうである。
慢性のIBS患者の方々への朗報に繋がれば嬉しいです。
追記:
今日、友人のお母様が亡くなったとのハガキが届いた。
生前とてもお世話になった方です。
最近は仕事やらなんやらで、めっきりその友人とも会えずじまい。
義理を欠いてばかりで申し訳なく思っています。
お母様のご冥福をお祈りします。