火曜日の夜、
遠方に住む知人からの電話で「それ」は始まった。
「〇〇手に入らないかなぁ」
その〇〇とは、
認知症に効果がある精油と
精油を入れるペンダント、
そして枕元に置くアロマグッズ。
詳しく理由を聞くと
TVの健康番組で紹介されていたと。
香りが脳細胞や記憶に効くという情報は
何も今に始まったことではないので、
「あ~そうなんですか~」と
冷静な対応をしたのを覚えている。
さらにその知人は
「出張で名古屋に行くから
 木曜日に受け取りたい」と。
TVの反響で
入手困難になる前に手に入れたい様子だった。
翌日、朝一番で生活の木へ電話を入れるも、
長~い呼び出し音か通話中でスタッフさんと話ができず。
ようやく繋がったのは開店から30分後のことだった。
しかし精油とペンダントは既に売り切れだった。
サロンで化学を教えていたにもかかわらず、
生徒さんに「ごめんね~」と言いながら
申し訳ない気持ちで電話をかけ続けた。
私が一番イヤなパターン。
受講してくださっている生徒さんに
不快な思いをしてもらいたくないのに・・・
「なんで私がこんな目に」
その時の私の正直な気持ちだ。
でも頼まれた相手は私の元上司。
職場結婚だったため、
その人は今でもダンナの上司。
それに
実家のお母様がすでに認知症で治療を受けていると聞けば、
「なんとかしてあげたい」と思っちゃう。
木曜の朝、
自然の薬箱のスタッフさんにお願いをして
開店時間よりずーっと早い時間に精油を販売してもらった。
ここでもまたご迷惑をおかけすることに。
ホント申し訳ない・・・
でも
精油を受け取った上司の嬉しそうな顔を見ると、
なんとなく心が軽くなった。
今回ご迷惑をおかけした自然の薬箱さんと
生活の木さんには、
おいおいご恩返しすることにして
気持ちは収まった。
それにしても
TVの影響力はスゴイ。
TVを視聴した人が
その影響に振り回されるのは個人の勝手だが、
販売しているショップの人の心境は複雑なようだ。
TV放映の翌日は
電話の問い合わせと接客で大わらわ。
販売成績が上がるなどという単純なものではない。
今まで精油を使ったことすらない人に、
一から教えるのは容易なことではないはずだ。
同じ内容を何度も何度も。。。
スタッフさんたちは
いったい一日に何度同じことを説明したのだろう。
また、
納得した上で購入した商品を
あとで返却に来ることも少なくないようだ。
そちらの対応もしなければならないのだから
TVさまさまとはいかないようだ。
毎週木曜日は生活の木さんで一日仕事。
昨日は講座中に、
数え切れないほど同じ精油の名前を聞いた。
お客さんの中には精油名すら覚えておらず、
「TVでやってたやつ」と。
それにも親切丁寧に対応している
生活の木のスタッフさんたち。
頭が下がる思いで教室から見守るしかなかった私。
スタッフさんのひとりは水曜から対応に追われ、
木曜の夕方には声枯れしていた。
それでも嫌な顔ひとつせず、
笑顔で私に「声が枯れちゃった」
と話す様子にじーん(;>_<;)ときてしまった。

さて、今回の一件で
私に若干の親戚が増えたことも
最後にご報告したい。
新たに増えた親戚のうち、
2人は未確認である。