8月の半ば、
大学の出校日とやらで
東京へ一時戻った次男の部屋を掃除していた時のこと。
とても魅力的なタイトルの小説を発見。
本はほかにもゴロゴロ置いてあったのに、
これからは目が離せませんでした。
植物図鑑 (幻冬舎文庫)
ページを1枚めくると
ツクシ、フキ、シロツメクサ・・・
野草の図鑑。
目次も
1.ヘクソカズラ
2.フキノトウ、フキ、そしてツクシ
   ・
   ・
   ・
と続きます。
さらに図鑑っぽいのは「学名」。
目次の下または横に
ヘクソカズラやフキノトウなどの学名が
ちゃんと書かれているんです。
しかしこれ、れっきとした恋愛小説。
地方から出てきて一人暮らしをするOLの前に、
突然現れた野草に詳しい料理男子。
それがまたイケメン。
家の近くで見られる野草が食卓にのぼるさまを
美味しそうに表現している。
何年ぶりだろう。
小説を1冊最後まで読み終えたのは。
独身時代に
村上春樹が著した
「ノルウェーの森」以来かも。
「別れる男に
 花の名をひとつは教えておきなさい。
 花は毎年必ず咲きます」
川端康成の言葉を引用し、
ストーリーを際立たせているところもフムフム。
ときめきから随分遠ざかっていた
おばさんも楽しめる1冊でした。
ストーリー内で紹介された
野草の料理レシピが掲載されているところもニクイ。
栗きんとんを食べながら、
あとがきを読み終えました。