エルダーベリーです。
エルダーフラワーは薄い黄色(遠目には白色)をしていますが、
ベリーはこのように濃い紫色をしています。
イギリスなどヨーロッパではジャムにするそうで、
ビタミンA(カロテノイド)やビタミンCが多く含まれています。
今年は夏が長いせいか、8月中旬から今頃までベリーがついています。
濃い紫色の色素の正体は主に「シアニジングリコシド」。
骨格をみれば一目瞭然、フラボノイドのグループです。
構造式は以下のとおり。
「三栄源エフ・エフ・アイ」さんのHPより抜粋させていただきました。
エルダーベリーの色だけ見ているとデルフィニジン系のように思えましたが、
B環のヒドロキシ基が2つなので「シアニジン系」ということがわかります。
アントシアニジン類だけは見た目ではわかりませんね~。
ハイビスカスなんて、どう見てもペラルゴニジン系にしか見えないのに、
実はデルフィニジン系だったり。
アントシアニジン系は他にもいろいろ。
紫キャベツ、紫蘇、紫イモ・・・どれもシアニジン系です。
秋から冬にかけて美味しい果物といったら・・・そう柿。
見た目にもわかるように、柿の色はカロテノイド系。
クリプトキサンチンやリコペンがその正体です。
共役二重結合を配しているため抗酸化作用が高いと評判。
温州みかんの色素は?
カロテノイド系のクリプトキサンチン。
みかんは特にカロテノイド系を多く含むので、食べ過ぎると皮膚が黄色くなるので要注意。
これは、カロテノイドが脂溶性の色素であることが原因です。
そして冬に美味しくなるリンゴの色素は・・・・?
アントシアニジン系とキサントフィル類によるものです。
これから秋が深まるにつれて実をつける植物がどんどん増えてきます。
「この色素の正体は?」と、ちょっと頭をひねってみてください。