ハーブ製剤の中でも特にシンプルで
日常生活に馴染みのあるハーブティー。
植物療法という非常にマニアックな業界において、
一般の方でも理解しやすい方法はそうはないものだ。
例えばチンキ剤。
植物療法マニアにはとても馴染みのある製剤だが、
どうやら一般常識からは外れているようだ。
小さいお子さんをお持ちの方からは
「アルコールはちょっと・・・」という声が聞かれ、
幼なじみからは
「何が入ってるの?この茶色のビン」と不思議な顔をされる。
それがハーブティーだと様子が変わってくる。
毛嫌いする人もいなければ、
怪訝な顔で質問する人もいない。
日本には古くから茶の湯文化があったからなのか?
小林一茶バンザイ!ってとこでしょうか・・・
だからといって日本茶とハーブティーは決して同じというわけではない。
もちろん緑茶、つまりCamellia sinensisも立派なハーブ。
カテキンを始めとするフィトケミカルも豊富だ。
日本茶を好んで飲まれる方は、
番茶でもほうじ茶でも
植物は同じCamellia sinensisを使っているのだ。
ご存知だろうが、
紅茶や烏龍茶もCamellia sinensis
しかしハーブティー愛飲者はというと、
「昨日はあのハーブ」「今日はこのハーブ」
とあれこれ体調の変化やその日の気分で植物を変える。
またハーブはシングルチョイスとは限らず、
数種のハーブをブレンドすることも多い。
ハーブを学び始めた頃は、
効果効能を意識してブレンドに勤しんだが、
最近は感性で選ぶことが多くなった。
「当てずっぽう」と捉える人はまぁそれでもいい。
単なる当てずっぽうでないことは、
私の体が一番良く知っている。
ハーブとじっくりゆっくり付き合うと、
人間と同じで「個性」が見えてくる。
この子はマメに使ってあげないといじける、
とか
この子は大勢でいるのが嫌い、
とか。
表現は自己流だが、
植物からの「生命の叫び」を感じるのである。
ハーブティーを飲んで
体の変化を感じ取ることに慣れてくると、
フィトケミカル以外の「何か」を
私の細胞が受け取っていることに気付き始めた。
「変な人だ」と思われるので大きな声では言えないが、
明らかな「心の変化」を感じるのだ。
「成分」以外の「何か」が
私を変えているとしか他に言いようがない。
さて、今朝のお茶は何にしよう。。。