朝夕がすっかり秋めいてきました
昨日は日中もエアコン要らず。
我が家の「金庫番」である私としては大変助かります。
ところで、今週の日曜日に毎月恒例のエーザイさんの薬草園へ行ってきました。
今回は秋の七草と最近園芸店で見かける毒草の話。
秋の七草といえば、
萩、桔梗、尾花、撫子、女郎花、葛、藤袴。
このうち萩(ハギ)と尾花(すすき)以外は生薬として利用されています。
桔梗(キキョウ)・・・生薬名も桔梗。サポニンを含有
撫子(ナデシコ)・・・生薬名はクバクシ。通経薬。
女郎花(オミナエシ)・・・生薬名は敗醤(はいしょう)。解熱、消炎。醤油が腐ったような臭い。
葛(クズ)・・・生薬名は葛根。風邪薬。
藤袴(フジバカマ)・・・生薬名は蘭草(らんそう)。クマリン配糖体を含有。利尿、通経。血糖値低下。
  フジバカマ
最近、園芸店でイヌサフランを見かけます。

「なんで置いてあるんだろう?」と不思議に思ってました。
お花は確かにきれいです。でも・・・
園芸用に品種改良されているとはいえ毒草です。
地植えしていたイヌサフランの球根をペットが食べた死亡例もあるほど。
サフランだと思って使う人がいるらしいのです。
園芸店の人にもっと知識があれば避けられたのでは?と思ってしまう。
もともとイヌサフランとサフランでは「科名」が違います。
イヌサフランはユリ科、サフランはアヤメ科。
サフランの家庭での使い方は、
花の柱頭部分の黄色色素を利用してサフランライスに。
メディカルハーブとしては血行促進、鎮静・鎮痙、通経に利用。
妊婦さんは使用を避けたほうがいいです。

これがサフランです。
イヌサフランとよく似ているので気をつけてくださいね。
エーザイの方のお話では、あのベラドンナでさえ園芸店にあるのだとか。
「~ベラドンナ」という名前で販売されているそうです。
しかし、どんなに品種改良してあっても、「ベラドンナ」と名前にあったら毒草とのこと。
ベラドンナといえばトロパンアルカロイドのヒヨスチアミンやスコポラミンを含有。
 ベラドンナ
毒 = 薬  というように、
トロパンアルカロイドの強い交感神経遮断作用を利用して、
鎮痛・鎮痙薬として使われています。
家庭で使うものではありません。くれぐれもご注意を。
同種のアルカロイドを含有するダツラ、ヒヨス、ロートコンも要注意です。
ダツラは、それと知らずに畑の端にあることも。
ダツラ
エーザイさんには八重のダツラがありました。

毒草であっても栽培規制がかかっていないものが案外多いんです。
第2日曜日に開催される薬草観察会。毎回約50人程度の方が参加されています。
今年の薬草観察会は来月と11月で終了。来年は4月から始まります。